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 2001年11月24日 更新
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目 次  
書店用ジャンルの分類の仕方について 「知り合いの勤める書店へ行った時のこと」2001/9/3
既に決まってる「売れる本」       2001/9/3 どこにでも転がっている話 第1話      2001/9/4
悲しきかな! 売れる本 書店員の心構え 2001/9/3

書店用ジャンルの分類の仕方について
図書館とはかなり異なります。
[本の分類の仕方について] 書店の棚の考え方

 本屋の分類の基本・基準は、「どこに置けば一番売れるか」ということです。言い換えると、「一番多くの人が単純にその本のイメージとして本屋のどこの棚に行けば目的の本が置いてあると考えるか」ということを推理して置くことが基本となるのです。それが一番多数の顧客にとって分かり易いと言うことになるのです。
 その為、必要に応じて複数の場所に置くことになります。又、全店員が顧客に訪ねられた時、即座にその本を探せるという条件を満たす必要があります。(階層フロアの場合、その担当フロアの従業員の殆どが訪ねられた本を最低担当フロア内で探せるという条件を満たす必要があるのです。又、担当外の本を聞かれてもかなりの部分で、どのフロアにあるか応えられる必要があります。)
 ですから、棚は店員の全体レベル(平均値)によって決まるのです。図書館の十進法的分類とは違うのです。
 但し、基本には、本屋としての十進法に近似した分類の基準があるので、大筋の骨組みはこの基準に沿って行われます。又、書店により分かり易いように新規の項目(ジャンル)を作り、分類しているところもあるので、読者は書店によって絶えず対応を変える必要があります。どこが使い勝手がよいかは読者の決めることですね。
 書店としては、旧態依然とした棚構成(ジャンル)xをひたすら守るのでなく、必要に応じ、顧客の分かり易いように棚の配置を換え、常に時代に合わせて対応してゆく柔軟性が大切なのです。
 又、いくらベテランの店員といっても新規の店に配属された場合、直ぐに店の全体を把握するのは、難しいので、人事異動の頻りに行われる書店では、店員の質が下がり、顧客にとってはいつ本を聞いても分からない店員ばかりだ、という印象になりますので、読者はその辺の事情を考慮して見ると立腹しないで済むかも知れませんね。                      
O 記

既に決まってる「売れる本」 目次に戻る
 本屋なら誰でも経験してると思うけど、ヒットする本って初めから決まってる。企画内容聞けば”ああ、それは売れるよ”って直ぐ分かる。中々数ないけど確実にヒットする奴は分かるんだ。もう生まれる前から天才児だって分かってるみたいなもの。だけど、もう少し詳しく言うと最終的にヒットするかどうかは現物見てみないと分からないのね。企画良かったんだけど装幀、作りが悪くてダメ!ってのが多々あり、残念賞ものが結構多い。大ヒットが中ヒットになり、中ヒット物が線香花火で終わっちゃう。大ヒット物は大方作り、装幀も良くて安心して売れるに任せられるのだ。
 大ヒットになるか中ヒットで終わるか分かれ目は市場の気分がつかめない時で、フタを開けなきゃ分からんってこと。

 じゃ、本屋の店員なんていらんじゃないかってことになっちゃうけど、違うんだな。
 年令、性別を越えて売れる本なんてそう数あるもんじゃない。一番世話の掛かる中ヒット物以下の本は手間と情熱と努力と工夫がないと毎日発行される百数十の新刊に押し流されてどこに入ったか分からなくなっちゃう。又、こういうのは、扱い方ひとつで売り上げを左右するのね。大ヒット物は新聞、雑誌に宣伝や書評が出て、結構なことなんだけどそうでない奴は放っとくとどうなるか分らなくなっちゃう。宣伝もない書評にも取り上げられないなんて可哀相なのが、ゴロゴロあるから面 倒見る必要があるんだね。置き場所や棚の入れ方で売れるか売れないか決まっちゃうのも多いので、ここが一番書店員の腕の見せ所。入荷した新刊の一冊一冊を全部売るつもりで頑張らなくっちゃいけない。しばしばいい加減にその辺の棚に突っ込み、返品忘れや直ぐ返品してしまう店員がみうけられるが、これはダメ。これは無能力店員です。
 但し、経営的には、細かい本になぞ拘わらず、効率良く売れそうな本のみを相手にして丸く店を掃(は)いて売りまくるのがいいんだ。何しろ売れればいいんだから、何でも良いんだよ。でも、「売れれば何でもあり」と「もう一度仕事を見直して」どちらを販売の基本に据えてくかは、今後の運命の別 れるところ。「今の本屋はどこも同じで面白くない」ってな声が聞かれる中、どちらに勝利が輝くかなぁ。
          O 記  2001/9/3

悲しきかな! 売れる本 書店員の心構え(マジにならないでね) 目次に戻る

 いいねぇ。売れる本ってのは。
  平積みした傍(かたわら)からポンポン売れてく。気持がよい程で、こっちまで楽しくなっちゃう 。
 売れる本ってのは、元々決まってるもので、書店員がどうこうするこっちゃない。只、分かり易いところに置きさえすればいいわけ。すると顧客が見つけて勝手に買って行く。だから努力らしい努力なんて必要ないのね。
 じぁ、売れる本を掴(つか)むってどういうことって言うと、発売前に部数を決めることなんだね。つまり、大部数注文するってこと。いつもはヒットしても10冊から30冊くらいのところを100冊って仕入れるわけ。だけど、本当はこの部数をぴたりときめるのが一番難しい。一週間でこれだけ、一月でこれくらい売れる、と見極めるのが、できないんだよ。それでつい皆やってると思うけど売れ行きを見乍(なが)らさ、次の注文部数を決めるっていう安直方法使う訳だ。こんなこと本屋に入って1、2年もやってればベテランじゃなくったって誰だってできそうなことなんだけど、中にはちょつとしたコツもあるのね。
 只、十数年位前から、大手版元の中には、直ぐ注文しても発売日から一週間は調整期間で、本を出荷してくれないし、部数も版元の方で勝手に決められちゃうので、まあ、どうでもいいわけだね。適当に注文だして入ってきたらただ置いときゃいんだから。発注後なら何やったってもうどうにもならんのだから、放っとくしかない。やる気なんて必要ないし、本に努力と愛情は必要なしってことだね。
 つまり、版元の御指導に従ってやってくんだから責任も努力もいらない。基本的に諦(あきら)めの精神でやるのが、精神衛生上一番良い方法なのだ。
 どこの書店に人気本を多く入れ、少なくするかは版元の判断次第。大切なのは、版元の指定数通 りに忠実に平積みを実行すること。版元の御機嫌を損ねないようにそこだけ注意を最大にして払うこと。これで万事めでたし、めでたし。
 でも、ポンポン売れてく本見て、ちょっとさびしいよね。自分必要ないんだもの。 てとこで、書店員の力発揮は売れそうもない本の中から売れる本の発掘ということになるのかな。さぁ、書店員の皆さん頑張って.      
T.N 記  2001/9/3


「知り合いの勤める書店へ行った時のこと」 目次に戻る
 私は以前4回程必要な本を物色する為に、その書店の棚を見に行っていたのですが、ある時、ジョン・ハルの「デリバティブ入門」という本を探しに行って棚を物色していると、棚に入っている本が以前とちょっと違っている。全体としては大きな変化があわけではなく、きちんと配置された本の中で二三の本が妙に棚から浮いて本来あるべき場所から離れ、軋みをもたしていたのです。纏まって入り場所がズレているのではなく、一冊づつバラバラなのでちょつと目には気付かないかも知れませんが、この不具合は明瞭なものでした。いままでそんなことがなかったので、担当者に何かあったのかな、と思わせる気配があり、つい帰り際に知り合いの書店員にそのことを告げて、その後他の知り合いの書店員のところへ行き、冗談まじりに今あったことを話しますと、「実はね。その子のお母さんが病気で、大変らしいよ」という。私は、いけないことをしたと後悔しました。つい面 白がって要らぬことを言ってしまったのです。きっとすきな人とちょっと上手く行かず、揉めているか給与が少ないとか休暇がとれず、暫くやる気を無くしている程度に考えていたのです。棚を読むことはできますが、その背後にある事情までは気が回らず、大変な失敗をしてしまつたのです。もし、担当の女性が傷つけばと思うと本当に申し訳ないことをしたと思います。
 私の心の隅に「棚の乱れは良くないから注意しとけよ!気を抜いても直ぐ分かっちゃうんだぞ!ちゃんとやったら。」といった気分があり、もうひとつそれに気づいた自分誇りがちらついていたのです。
 元々そこそこ馴れのある書店員なら誰でも棚を読み、棚を設計してゆく企図やどれくらい本のことを理解しているのかといった背後の担当者の力量 や心理状態を推理できるので、棚を見て遊んだりしていると思いますが、時に人を傷つけたりすることがあることを思うと軽率に喋ったりしないものなのですね。 いまでも申し訳ないと思っています。
  T.N 記 2001/9/3

どこにでも転がっている話 第1話 目次に戻る
「趣味・実用書」の中の「軍事関係書」を拡大しようとして失敗した話(棚移動のこと):

 暫く前、私が東京の山手線内から少し外れた変哲もない町の書店で勤務していた時の話です。
 店は最寄りの駅から約4〜5分位で、駅ビルには当店より坪数のある大型の有名書店が入っていました。真新しいその店にくらべ当店は古くからあったせいで全体が汚く、フロアーにも凹みや起伏が目立ち、どこが汚れているといのではないのですが、全体に古びた汚い印象を与える店でした。多額の資金を使い改装しなければとても雰囲気を替えることはできそうもなく、手の施しようのない店でした。それでも働いている人たちは元気で、頑張っていたものです。つまり、全国どこにでもある書店のひとつで、特徴もつくれず平凡で・・・の店でした。それでも以前は町の一番大きな店で、約50坪程の店内は1階2階と分け、1階が約35坪位 、雑誌と文芸、文庫、新書、実用書、ビジネス書、パソコン解説書があり、2階が15坪程で、コミックと学参でした。これだけの規模があったので、他のお店より良いんだからと、気合いを入れていたのでした。
 しかし、売り上げは毎年下がり続けていて、何かしなければこのまま死んで行くようで、ヤバかったのです。色々試してはいました。
 ある時、第2世界大戦のビデオが3本入荷したので、ビデオコーナーへ置くのを止めて、実用の一番右端の棚の下に2段程の軍事棚を作り、その下に平積みで置いたところ全部売れてしまったのです。これは!と思い、次から注意するようにして、ピストルや戦争の本が入荷するとその棚に置くようにしたのです。するとそこそこ売れて行くので、「これは結構売れるかも」と思い、過去に発行されてた銃器や戦争物を注文し、数を増やしたのです。次第に実用書の売り上げも増え始めて、ちょつといい気分でした。
 大書店のように大量に売れるとはいきませんでしたが、それでも入ってきた新刊はけっこう捌(さば)けてゆき、小さいけどちょっと回転のいい棚というか場所ができあがったのでした。多く場所を取るわけでもなく、効率は良かったと思います。そこで、夏場の売り上げ低迷時期に軍事雑誌のフェアをやり、少し広くお客さんを集めることにしました。このフェアは成功して、仕入れた雑誌210冊程の9割りを2か月で捌いたのです。当店ではこれは凄(すご)いことなので、笑わないで。それに7割近くは夏の3週間位 で売っているので、成功なのです。軍事雑誌がこんなに売れるとは思っていなかったので、本当にびっくりしました。やってみるもんですね。
 しかし、遂に不幸が舞い込んできたのです。
 店全体の棚の配置を考え直すということから、店長から新しい棚場所の指示があり、実用書を店の一番奥の壁面 に面した場所に配置するから、ということで決定したのです。私は、それでも軍事関係の本をひとつに纏(まと)めて置けば大丈夫だろうと思っていました。しかし、しかし、です。棚を替えた時からどうしても売れなくなってしまつたのです。商品が同じものなので、半分程交代してみたり、上と下の棚の本を替えてみたり、平積みの内容を替えたり、もっと同一の種類を集めて棚を強化してみたのですが、回復しませんでした。これからもっと伸ばしていこうと思っていたジャンルだったので、頭の中が空っぽ。どうしてだったのでしょうね。苦い経験になってしまったのです。
(この話は店長がいけないという話ではないのです。棚は結構デリケートで、同じ棚でも場所が替るだけで売上が大きく変化してしまうという実例として書いたものなのです。)   
T.N 記 2001/9/4
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