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いいねぇ。売れる本ってのは。
平積みした傍(かたわら)からポンポン売れてく。気持がよい程で、こっちまで楽しくなっちゃう
。
売れる本ってのは、元々決まってるもので、書店員がどうこうするこっちゃない。只、分かり易いところに置きさえすればいいわけ。すると顧客が見つけて勝手に買って行く。だから努力らしい努力なんて必要ないのね。
じぁ、売れる本を掴(つか)むってどういうことって言うと、発売前に部数を決めることなんだね。つまり、大部数注文するってこと。いつもはヒットしても10冊から30冊くらいのところを100冊って仕入れるわけ。だけど、本当はこの部数をぴたりときめるのが一番難しい。一週間でこれだけ、一月でこれくらい売れる、と見極めるのが、できないんだよ。それでつい皆やってると思うけど売れ行きを見乍(なが)らさ、次の注文部数を決めるっていう安直方法使う訳だ。こんなこと本屋に入って1、2年もやってればベテランじゃなくったって誰だってできそうなことなんだけど、中にはちょつとしたコツもあるのね。
只、十数年位前から、大手版元の中には、直ぐ注文しても発売日から一週間は調整期間で、本を出荷してくれないし、部数も版元の方で勝手に決められちゃうので、まあ、どうでもいいわけだね。適当に注文だして入ってきたらただ置いときゃいんだから。発注後なら何やったってもうどうにもならんのだから、放っとくしかない。やる気なんて必要ないし、本に努力と愛情は必要なしってことだね。
つまり、版元の御指導に従ってやってくんだから責任も努力もいらない。基本的に諦(あきら)めの精神でやるのが、精神衛生上一番良い方法なのだ。
どこの書店に人気本を多く入れ、少なくするかは版元の判断次第。大切なのは、版元の指定数通
りに忠実に平積みを実行すること。版元の御機嫌を損ねないようにそこだけ注意を最大にして払うこと。これで万事めでたし、めでたし。
でも、ポンポン売れてく本見て、ちょっとさびしいよね。自分必要ないんだもの。 てとこで、書店員の力発揮は売れそうもない本の中から売れる本の発掘ということになるのかな。さぁ、書店員の皆さん頑張って. T.N 記 2001/9/3
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